新設オープン、マリオのコインボックス
6月1日
ついに
新設ICU-CCUオープン
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5月中旬
師長さんから電話
「こりんさん、、私と一緒に、新しいICU-CCUへ行きましょう!!!」
「はい、◯◯さんと一緒なら是非!」
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新しい部署へは
はじめの数週間、先発組として
10名のスターターメンバーが行く
ということが噂されていた
もとのCCUからは少しずつ患者さんを減らし
片付けと引越し作業をしなければならないため
古いCCUと新設ICU-CCU、どちらも存在する期間が
一時的にあるということになる
5月ももう半分
私のリーダートライも
いよいよ始まる頃
認定看護師のSさんが行くことは決定していたが
それを除き残りは誰が選ばれるか
全く知らされていなかった
本当に10人行くのかな、誰が行くんだろう
多分自分は選ばれないだろうからどうでもいいや
そんなことを思っていた矢先の電話
まさかの10名に選ばれた
師長さんの独断と偏見だろう
私としては嬉しかった
選ばれたことではなく、
誰よりも早く、
新しくて広くて綺麗な環境で仕事をできることが、
嬉しかった
ただ、なぜ選ばれたのかは、あまりわからない
私の推測だが
選ばれたポイントは
「仕事ができるから、頼りになるから」という理由ではなく
「環境に柔軟に対応できるから、変化に対するストレスを感じにくいメンタルだから」
という要素がデカイ気がする
なぜなら
仕事ができる人たちは
何人も古いCCUに残っていたから
というのがひとつ
そしてもうひとつは
COVID対応やリリーフなどで、
ここ数ヶ月色々なスタッフが
自分の所属部署ではない部署で
業務をすることが増え、それに対して
ストレスを抱えるスタッフが多かった
ということ
変化に柔軟に対応できる
メンタル強めなメンバーを選んで
なんなく乗り越えて欲しい
という思いがあったからではないかと思う
これはあくまでも私の勝手な推測
師長さんが一緒に働きやすい人、傍に置いておきたい人、を選んだのは間違いないだろうから、素直に喜ぶことにしよう
認定看護師さんが迷わず選ばれたのは
そういうことだろうし
私はというと
師長さんから英語の和訳を頼まれることが多々あり、すごく助かると言ってもらっていたから
頼めばなんでもホイホイと和訳を引き受ける
私が傍にいることは間違いなくメリットだろう
「こりんさん、
新設のほうに先に行っちゃうんでしょ?
先に慣れて、私たちにも教えてね、
頼りにしてる!」
とチームメンバーに言われて
古いCCUを旅立った
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5月最終日
夜勤明けのメンバーで
明日オープンする新設施設を
偵察に行った
オープンしてしまえば
写真は撮れないだろうからと
ここぞとばかりに
写真を撮りまくった
50m走ができる
という噂だったが
本当に50m走ができるくらい
通路が長くて広かった
木目調で
あたたかい雰囲気だ
言い表すならば
「高級老人ホーム」
そして
うんびゃく万するという
最新式のハイテクベッドがあったり
まるで管制司令塔かのごとく、
沢山のモニターが天井にぶら下がっていたり
一人暮らしの私の部屋より広いと言える
スペースたっぷりの個室が
ズラーっと並んでいたり
とにかく色々とハイテクで広くて
すごかった
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6月1日オープン初日
この日私は休日だった
同じく先発メンバーだった同期のMちゃんから
初日から早速入院の嵐
という連絡
さすが、攻めてるなあと思いながら
ウトウトすること、翌日
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6月2日
新設部署での
私の初めての勤務
初日から部屋持ちがついていた
さすがだ
(なにがさすがなのか。。
初日から部屋ついてるのまじで、、
という意味合いのリアクションと言いたい)
しかも初っ端から、
今までCCUで見てきた循環器内科ではなく
外科、オペ後、だった
初日から攻めてるのぉ..
心の中でリアクションを取りながらも
5月に個人的に
勉強を進めていた疾患だったから
その知識に助けられるという、
静かなファインプレーを
静かに自分の中だけで消化した
予測はしていたことだけど
あの物品どこ、この物品どこ、という質問と
宝探し行動を何十回もしたのは
言うまでもない
全員が初めての環境だから
誰に聞いても解決せず
文字通りみんなで宝探しになったのは
新設だからこそ起こりうる
愛おしい経験だ
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愛おしい経験といえば
もうひとつある
ハイテク施設に慣れず
上からぶら下がっている
コンセントを挿すアウトレットボックス
的なものに何度も頭をぶつけた
今まで壁や床など
低い位置にあったアウトレットが
まさかまさかの上からぶら下がっている
とは思わない
マリオがジャンプして
コインボックスに頭をぶつけて
コインやアイテムを取る
そんな感じに
頭をアウトレットボックスに
何度もぶつけていた
設備が悪いわけではない
ちゃんと環境整備をして
配置を調節すれば
頭をぶつけるどころか
快適に使えるアイテムなハズだ
しかし後々、
マリオのコインボックスは
他のスタッフも経験することになる
私だけじゃなかった..
ぶつけても
コインもアイテムも出てこなくて
ただただ痛い
そして患者さんに笑われるだけだった
恥ずかしくて話題を変えた
「◯◯さん、ご存知ですか?ここのフロアオープンして、最初にここのお部屋に入った患者さんですよ、一人目ですよ?」
「ははは、聞いたよ、そうらしいね、
すごく広くて綺麗で、陽当たりも良いね。」
コインが出てこないコインボックスに
頭をぶつけないようになった頃には
このハイテク施設にも慣れているだろう
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